ドイツ生活 徒然記

ドイツでの生活も6年目がスタート。日々体験したことや感じたことを書いていきます。

ドイツの職場 退職関連と退職日の様子

お久しぶりです。ちょっとバタバタしていて更新が滞ってしまいました。昨日は私の現在の会社での出社最終日だったので、そのことについて記録しておこうと思います。

<目次>

ドイツなのに!?有給休暇が取りづらかった話

私は今年あまり有給休暇を取得していなかったので、退職届を提出した6月半ば時点で確認した際、10日分の有給休暇が残っていました。ただ、もう1人偶然にも同じタイミングで退職する同僚がおり、彼もまた休暇を取っていなかったため、どうしても休暇のタイミングが被ってしまうという事態に。

ちなみに退職届けを提出したときの記事はこちら↓

www.et-chandon.com

そして、退職届を提出した翌々日から椎間板ヘルニアで入院したため、有給休暇が使える日程が狭まり、(病欠は有給休暇 とは別枠ですがお給料が出ます)病み上がりに同僚と急いで相談して10日の有給休暇を3日間全休、14日間半休とパズルのように使うことになりました。というのも、平常時は同じ業務をしている同僚3人で回している仕事を1人が休暇で不在にしても回るように年明けから知識を共有したりしていたのですが、今回は2人が休暇を取るという異常事態。私が午前中出勤して、せめて時差のある日本のクライアントの案件は私がフィニッシュさせて退勤する、という苦肉の策を提案したわけでした。私が10日間全休を取ることはもちろん権利としてありますし、当然上司から半休を提案されたわけでもないのですが、そうでもしないと仕事が回らずに残される1人がパニックになることは目に見えていました。1人で3人分の仕事を回さなければならなくなるというプレッシャーを前に、日に日に表情が強張っていくそのドイツ人の同僚を見ていて、非常に居たたまれなく、私ができることはそうして休暇を調整することくらいでした。そして、この同時に同業務2人抜けという事態に対して、本社のミュンヘンから上層部の人がドレスデンにやってきて会議を行い、ドレスデンの別の部署から1人助っ人が派遣されることになりました。しかし、彼女がいくら優秀でも物理的な仕事量とトレーニングにかかる時間を考えると人手不足は解消されません。今日からの彼女たちのことを考えると胸が痛みます。正直、半休が続いていると旅行に行けないのでちょっと残念ではありましたが、まだコロナウイルス感染の懸念もあるのでここはぐっと堪えました。

 

ドイツなのに!?残業代が出ない!?

さて、午前中出勤の半休となった私が優雅に午後の休みを満喫できていたかというと、現実はかなり厳しいものでした。3人分の仕事を1.5人(ドイツ人の同僚と半休の私)で回す+人に教える、という業務が新たに加わり、得意先とのメール対応や期限管理、レポート作成などの通常業務以外のこと(引き継ぎのためのマニュアル作成など)に割ける時間が全くなくなりました。毎日すべてのタスクを4時間で終わらせなければならないという時間のプレッシャーに晒され、最終的にはここだけの話、引き継ぎのための資料作成は最後2日間朝早く出勤してなんとか間に合わせていました。本来であれば、早く出勤したらその分時間調整を当日もしくは別日で行って、プラスマイナスをゼロにしなくてはいけないのですが、私の場合もう出勤日がないため、実質サービ◯残業。夜は今ドイツ語のクラスに月・水通っているので、昼間帰宅したら昼食、宿題、時間があれば昼寝、そして学校へとせわしない一日に。学校のない日は宿題をする以外はぐったりしていました。同じ業務を担当している1人残されるドイツ人の同僚は、私の数少ないドイツ人の知り合いの中でもさらに数少ない、人に気を遣う性格で、疲れとストレスで顔を険しくしながらも「この(大変な)状況はあなたに否があるわけではないからね」といつも言ってくれるような人。部署のみんなが知っていることですが、彼女はいつも始業の30分前に来て自主的に朝残業をするような非常に責任感の強い女性なので、私が急遽入院して不在にしたときも、今回の有給休暇がもう1人の退職者とかぶって異常事態人数になったときも、常に自分を後回しにしてチームと仕事のことを考えて動いてくれていました。そんな彼女が倒れてしまわないかが今は非常に気がかりです。

退職当日はお菓子を持参

退職日はみんな手作りのケーキやなにかしらお菓子を準備するのですが、私もそれにならって事前にアジアンスーパーで購入した日本のお菓子をお皿に盛って各部署に配置し、メールでオフィス全員に退職の挨拶とお菓子についてのアナウンスをしました。たいていの人はアレルゲンやラクトーゼフリーなどについても記載するのですが、私は複数種のお菓子(キットカットどらやき、ミルキー、歌舞伎揚などなど)をごちゃまぜにお皿に盛ったので、書くのはあきらめて省略しました(苦笑)

退職者を送るセレモニー

当日10時頃にはオフィスのほとんどのメンバーがデスクの周りに集まってくれて、プレゼントをもらいました。退職するということが決まると、みんなでお金を出し合って贈り物を買い、カードを回して書いたものを最終日に手渡します。その際には送られる側はお礼の言葉を短く伝えるというのが恒例になっており、私も感謝を伝えました。1年半という短い期間だったにも関わらず、そうやって集まって考えてもらたことがとても嬉しかったです。

もらった中で最もユニークだったのは、「新しい仕事のためのサバイバルキット」と名付けられた箱。たくさんの雑貨やスナックが詰められており、その一つ一つにどういうときに使うのか手書きで説明が付けられていて、楽しめるようになっています。少し手作りのアドベントカレンダー(クリスマスをカウントダウンするカレンダー)にも似ていますよね。また、私は自分のマグカップを職場に持ち込んでいなかったので、次の職場で使ってね、ということで猫のマグカップをもらいました。セットのスプーンの持ち手に猫の前足が付いていて可愛らしいです。

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同僚たちからの贈り物

 

退職届受理書と勤務評価について&鍵の返却

私は退職届けを提出してすぐ入院してしまったということもあって、退職届受理書をまだ受け取っていませんでした。また、退職届けに記載して作成してもらえるようお願いしていた勤務評価についても書類をもらっていなかったので、ドレスデンオフィスのトップに挨拶がてら、いつもらえるか聞いてみたところ、受理書は机に置いたと思うけど、今新しいのを準備するわ、と言ってその場でサインしてくれたものを受け取りました。勤務評価については、日常どのような業務を行っていたかをメールで送ってくれたらそれをもとに作成して住所に郵送する、ということでした。もっと早く問い合わせるべきでしたが、初めてのことなので仕方ありません。その日退勤する際に鍵を責任者に返却してすべての退職の一日の業務は終了です。

 

今回の退職を経て学んだことと実感したこと

今後への学び
  • 引き継ぎ書類は退職を意識し始めたら作成しておく
  • 人に回せる仕事はどんどん手放す
  • 挨拶しておきたい人の休暇は事前に把握(特に夏)
  • 勤務評価は上司が日頃の勤務内容を把握してくれていない場合には、勤務内容について自分から明示する必要がある
実感したこと
  • ドイツ人にも◯ービス残業をする人がいることと、正確な残業時間が出せないと上司が業務量を見誤るということ
  • ドイツの職場でも空気を読まざるを得ないような状況は起こる
  • 人が次々に辞めていく職場は全体のモチベーションが下がる

 

長い一日にお付き合いくださり、ありがとうございました。正直なところ、私は働く機会を与えてくれた会社に対して非常に感謝しているので、残業に関してはまったく気にしていません。ただ、この私のはみ出た勤務時間から人手不足を少しでも読み取って、早急に人が手配されることを望んでいます。同じ部署の同僚たちの疲弊は見て取れますし、彼らのモチベーションも今最低まで落ち込んでいるように感じます。7月から入った新人の子も、まだ右も左もおぼつかないのに即戦力を求められていて不安そうにしています。とにかく6月以降は毎日がサバイバルだったので、未だに前職の仲間との連帯感から抜け出せていないのが現状ですが、逆に新しい職場では何が起こっても耐えられるのではないかという変な自信がつきました。泣いても笑っても次の職場は来週月曜日からなので、この興奮冷めやらぬ状態を落ち着かせて、週明けからは頭を切り替えて新しい仕事に向き合っていきたいと思います。