明日から3週間の休暇に入るのですが、お給料に関して昨日びっくりする電話が経理からかかってきたのでここに書いておきたいと思います。
<目次>
税金クラスをFinanzamtで変更手続きしたけれど?
ドイツでは税金クラスというものがあって、それによって所得税の税率が変わってきます。私たち夫婦は2月末にその税金クラスを変更する手続きを行っていました。そのときの記事はこちら↓
変更手続きをした当時から今まで結局Finanzamtからはなんの連絡もありませんでした。その後ずっと給与明細には以前のクラスが記載されていたため、「変更手続きされてないのでは?」と思っていたんです。問い合わせしたほうがいいよなーと思いつつ、忙しさにかまけてそのままにしていました。
給料ゼロ!?衝撃的な経理からの電話
昨日午後に私のデスクに経理部門からの電話がかかってきました。まず税金クラスを変更したかどうかを聞かれ、事実だと言うと、3月から税務署では変更されているが給与にずっと反映されていなかったとのこと。続けて、払いすぎていたのでこれから差し引かれるが、差し引きによって10月はお給料ゼロ、11月もいくらか引かれるという衝撃の告知が!電話を受けた当時は、貯金もあるし問題ないだろうと思って電話を切りました。しかし、翌日何気なく同僚に話したところ、思わぬ展開になったんです。
最低賃金1,179ユーロ/月
こんなことがあってさ、と同僚たちに経理からの電話の一件を話したところ、みんなものすごい表情になり、告知が急すぎる、なぜそうなったのか説明があって然るべきだ、ゼロなんて生活できない、と、まるで自分の身に起きたことのように怒り出しました。そのうち1人が「父親が弁護士だから今からどう対処したらいいか聞いてみる」と言って、すぐにお父さんにメールしてくれ、お昼休みにはお父さんに電話をかけてくれたんです。そして、その子のお父さんによると、会社は従業員が暮らせる賃金として最低1,179ユーロを月に支払わなければならないとのこと。また、Finanzamtで税金クラスを変更しても、自動的に会社に通知はされないので自ら申告しなければならないということも教えてくれました。さらに、今度は同僚自身が「私から電話(ドイツ語で)してあげるよ」とお父さんから得た情報を経理に電話で話してくれました。経理の出方によってはその弁護士のお父さんが会社に手紙を書いてくれる、とまで言ってくれて、私としてはちょっとドキドキしましたが、経理側も理解を示してくれ、結局私が月に必要な額を経理に伝えて、差し引きが終わるまで、月に最低その額は入れてくれる、ということで落ち着きました。
ドイツ人の考え方
個人的にはそんなに問題視していなかったのですが、「もしその間(返済期間中)に病気になったり事故に遭ったりしてお金が必要になったらどうするの」「旦那さんが蓄えを持っていて金銭的に問題はなかったとしても、これはあなた自身の給与だし、あなた自身の権利だよ」「選択肢がなく、一気に差し引かれるというのは非道(エンパシーがない)」といったみんなの説得もあり、先の経理への電話にいたりました。個人的な感覚ですが、日本で同僚同士でそういった話をしたとして、おそらく弁護士に相談しよう、という展開にはまずならないんじゃないかと思います。今回のみんなの反応を見て、改めてヨーロッパなんだなぁと思いました。
お給料と税金クラスについて今回学んだこと
- 会社は月額最低1,179ユーロを従業員に支払う必要がある
- 税金クラスを変更したら、(受理通知などが来なくても)会社に伝える必要がある
受理通知がなく、給与明細を見ても変更がされていなかったことから、勝手に受理されていないものだと思いこんでいたのがことの発端でした。電話を代わりにしてくれた同僚いわく、経理も昨日税務署からの通知で私の税金クラス変更を知ったとのこと。私の同僚には税金クラスを変更したことがある人がおらず、どのようなプロセスをたどるのか誰にも聞けないまま、よくわかっていなかったので、結果今回のトラブルが発生したわけです。私の場合は周りの同僚の助けがあって、対処に関する知識を得られたり、経理と交渉ができましたが、基本ドイツの事務は精密ではないので、信用せずに、不安なことがある場合はとにかく納得がいくまで確認をして進めることをおすすめします。