ドイツ生活 徒然記

ドイツでの生活も6年目がスタート。日々体験したことや感じたことを書いていきます。

ドレスデンに来てからの悩みについて

ドイツへ来て丸2年。そして仕事を始めてからもうすぐ4ヶ月。時間が経つのは本当にあっという間です。日本での職場を離れたのがもう2年以上前だなんてちょっとびっくりです。今日は来た当初から薄々感じてはいたのですが、最近少し強くなってきた私の悩みについて書きたいと思います。

<目次>

日本の生活は刺激がいっぱい

話は2年前に遡ります。私が日本で働いていたときは広告などを扱う営業職だったので、おしゃれとは異なりますが、美術展や新しい商業施設がオープンした際など積極的にトレンドを追うようにしていました。また、私の住んでいた名古屋はカフェが非常に多く、週末はかわいらしいカフェを見つけては出かけていました。雑誌も地域の情報誌や女性誌、趣味やライフスタイルのものなどあらゆるジャンルに目を通して情報を得るのはもちろん、雑誌でいいなと思った写真を仕事(撮影)の参考にしたりと、今思えば毎日目まぐるしく刺激を求めていました。おそらく日本で働く営業職の方は「これが普通だ」と意識することもなく自然にそういった日常を受け入れていることと思います。

美意識の薄れ?

一方、ドイツに来てからというもの、そういった「目まぐるしい」日々とは全くかけ離れた暮らしに身を置いています。新しいカフェがオープンすることも商業施設ができることもなく、もはや雑誌を自発的に読むことすらなくなりました。以前ブログでドレスデンではおしゃれに気を使うことがないということを少し書いたのですが、街を歩いたりトラムに乗ったりしていて見かける人々に、この人おしゃれだな〜と思うことが一切ありません。仕事を始めたら少しイメージが変わるかなと思ったのですが、そんなことは残念ながらなく。。私の職場は一応オフィスカジュアルという規定があるのですが、ドレスデンのトップが毎日ジーンズで出社してきますし、同僚たちもそれぞれラフな格好をしているので私もジーンズでもいいかな、と思ってあまり格好に気をつけなくなりました。しかも毎日マスク着用ということで最近はほぼ日焼け止めしか塗らずに外出しています。髪の毛も11月に日本で切った以来伸ばしっぱなし、さらに家にこもってばかりいたので少し体重も増えているというありさま。最初は私の怠慢で美意識がゆるくなっているんだと考えていました。でもそんなに単純なことなんでしょうか。

 

購買意欲の減少 

せっかく仕事を始めたということで欲しい物があったら毎日により張りが出るかなと思い、インターネットで情報を探し求めるも、欲しい物が見つからない。。。数年前は可愛らしい雑貨屋さんや素敵なカフェやおしゃれな本屋さんで見かけた無くても困らないものに心惹かれる毎日があったのに、今や自分に「何か買ったら?」とけしかけても、ときめくものがないというさびしい現実を目の当たりにしています。

 

(東)ドイツ人の価値観と日本人の価値観

暖かくなってきてからというもの、仕事を終えて帰宅途中にエルベ川沿いや公園の芝生に寝そべったり座ってビールを飲んでいる人たちをよく見ます。「駅ビルで買い物」とか「職場の人たちと居酒屋に行く」とかそういった日本人の仕事終わりの過ごし方とは異なっていて、客観的に見てとても素朴です。そしてそんな生活に満足をしているように見えます。さらに、なにか食料品以外の買い物をする際の(東)ドイツ人の価値観は「環境に配慮されているか」「機能性が高いか」「長く使えるか」「コストに見合うものか」という観点により重きを置かれているように感じます。まだ来て間もない頃に語学学校に通っていたとき、近藤麻理恵さんの『人生がときめく片付けの魔法』を読んだ話をクラスでしたら、ドイツ人の先生(30代子持ち)があとでググったらしく、面白いけど我が家では効果がなさそうだと翌日に感想を伝えてくれたことがありました。彼女はベリーショートにショートパンツで鼻ピアスを着け、自分で編んだマクラメのチョーカーをしてがっしりした自転車で通勤しているような女性だったのですが、あるときお気に入りのブーツが盗まれた話をしてくれました。そのブーツは比較検討を重ね、非常に熟考した上で購入されたものだったらしく、先生はとても悲しそうでした。そのエピソードを聞いたらこんまりさんのメソッドが彼女には必要ないことがなんとなくわかります。

 

無意識にドイツに馴染んでいる?

仕事をしていないときは節約ということもあって洋服は子供用を購入したり、ファストファッションブランドのセールで買ったり、セカンドハンドショップをよく利用していたのですが、当時は自分の美意識を気にするというよりも生活していくことに重点を置くことに疑問を持たずに買い物をしていました。ただ、最近、仕事を始めてからもそれは変わらず、自分の外見を磨くことより機能性を求めていたり、コストパフォーマンスを重視していたりと、(東)ドイツの考え方に馴染んでいる自分を発見したのです。ここドレスデンの人々は肌感覚だけで言うと保守的で、新しいものよりも慣れ親しんだものを好む傾向があります。個人的には2年という歳月はあっという間で、まだまだ言葉も話せないし、慣れないことも多くあると感じているのですが、どうやら生活スタイルには適応しているようです。

 

まとめ:今後の向き合い方

客観的に自分を見てみると、ドイツでの生活スタイルが日本でのそれとかなり異なるため、完全に新しい価値観を受け入れることができず、困惑しているところが若干あるのかなぁと。どちらが良い悪いではなく、「自分はどうしていきたいか」をもう少しはっきりさせ、その都度意思を意識して行動していくことが必要だと今回記事を書いていて感じました。二年という長いようで短い期間を過ごし、今が「自分がどうしたいか」を立ち止まって考えるタイミングなのかなと思います。こういうことで悩んでいるということ自体が日本にいたら想像できないとは思いますが、なんだか面白いなぁと。長くなってしまいましたが、お付き合いくださりありがとうございます。自分らしい生き方をこれからも模索していきたいと思います。