昨日過去に放映された100分で名著を解説するという日本の番組を夫婦で観ていました。題材はイギリスの文学で、「高慢」は"pride"「偏見」は”prejudice"、そして物語の後半鍵となってくる「虚栄心」は"vanity"と英単語が出てきました。
これらを見て私が最初に思ったこと…
「名詞に性別がないってなんて素晴らしいんだ!!」
完全にドイツ語に冒されています。ちなみに上記3つの単語をドイツ語で調べてみました。
高慢・・・der Stolz→「男性」
偏見・・・das Vorurteil→「中性」
虚栄心・・・die Eitelkeit→「女性」
たまたま3つの性に分かれてくれました。ドイツ語は名詞に必ず性別があってこれが非常に悩ましいのです。上記の単語ではアンダーラインを引いた冠詞で性を表しています。また、加えて(名詞の)複数形にも「die」という冠詞がつきます。この性別を覚えていないと文章が作れないのでひたすら覚えます。例えばこの文章を見てください。
Ich gehe zum(zu dem) Supermarkt mit dem Fahrrad.
「私はスーパーに自転車で行く。」
これだけの話なんですが、スーパーは男性名詞、自転車は中性名詞です。冠詞はどこへいったのかというと、
Ich gehe zu dem Supermarkt mit dem Faharrad.
男性名詞の冠詞「der」→「dem」
中性名詞の冠詞「das」→「dem」
こんなふうに変化させます。この文では(アンダーラインを引いた)前置詞があり、それによって格変化が起こるというわけなんです。格変化は4格あり、動詞によっても引き起こされます。格変化は日本語ではぴんときませんが、チェコ語やロシア語においては6格や7格あるらしく、ヨーロッパのクラスメイトたちには馴染みのあることのようです。彼らが4カ国語を話せたりするのも納得です。ちなみにスペイン語話者とイタリア語話者がお互いの母語でなんとなく会話できるというのは有名ですが、ポーランド語話者とチェコ語話者もなんとなく通じ合っていました。
ドイツ語は英語から外来語として多く取り入れていますが、中には全く意味が異なる単語があります。例えば有名なのがこれ。
英語:gift
ドイツ語:das Gift
英語では「贈り物」という意味ですが、ドイツ語では「毒」「悪意」という意味です。取り違えたら大変な誤解を生んでしまいます。。ちなみにドイツ語で「贈り物」はdas Geschenkです。
名詞は覚えないと話せないため、クラスメイトとの会話の中でもお互いに確認し合っています。例えば、
私:Wo hast du dein Mittagessen gekauft?「そのランチどこで買ったの?」
クラスメイト:Ich habe gekocht, aber habe ich …das? Paprika? im Supermarkt gekauft.「自分で作ったよ。でもこのパプリカ(中性?)…はスーパーで買ったんだ。」
私:Paprika ist…Maskulin!「パプリカは…(辞書で調べる)男性だ!」
こんな具合です。大変ですが、毎日新しい学びを得て脳が活性化され、とても豊かな生活を送らせてもらっています。それではそろそろ学校へ行ってきます!