ドイツ生活 徒然記

ドイツでの生活も6年目がスタート。日々体験したことや感じたことを書いていきます。

ドレスデンで働くロシア人

お久しぶりのブログです。最近アメリカの古いドラマ、『メンタリスト』にすっかりはまってしまって毎日のように視聴しており、気がついたらもう2月も終わりそうになっていました…。個人的にはRigsbyとChoのやり取りをいつも楽しみに観ています。日本のアマゾンプライムでも多分観られると思います。

さて、今日はロシア人の同僚からちょっとショックな話を聞いたので、記録に残しておきたいと思いブログを開きました。

<目次>

ロシア人の若手社員

私の勤める会社はヨーロッパでの業務規模拡大に伴って毎年エンジニアが数名ずつ入社し、多国籍な人材が集まっています。その中の一人にロシア人エンジニアがいるのですが、彼が得意先の施設に入場するためのアクセスカードを申請したときにそれは起こりました。

顧客施設の入場バッジ

通常、エンジニアはお客さんの施設へ納品した製品の保守点検、トラブルシュートが仕事なので、呼び出しがあればすぐに現地へ駆けつけなければなりません。ただ、その施設が厳重に管理されているため、毎回入場許可を取り付けるのではなく必要な書類を提出して無期限のアクセスカードを付与してもらうのが流れとなっています。彼も例にもれずパスポートのコピーとドイツの滞在許可証、申請書を先方に提出してアクセス権がおりるのを待っていました。

アクセス権保留とオンラインミーティング

私自身は事務員として申請用紙の記入の手伝いをしたのですが、彼がその得意先へ行った話を一向に聞かないので、本人に進捗を尋ねました。すると、ロシア国籍を理由に申請がおりなかったと言うではありませんか。しかも、得意先から招待が送られてくるオンラインミーティングにも入室を幾度か拒否されたということで、完全に国籍差別を受けていました。私の上司もロシア人ですが、長年勤める彼女からはそんな話を聞いたことがなかったので、今回のロシアとウクライナの戦争による影響であることは間違いありません。なお、別の得意先ではスムーズに許可がおり、個人のロッカーと靴まで貸与されて何も問題ありませんでした。

ロシア人とウクライナ

そのロシア人の若手エンジニアは父親がウクライナ人、母親がロシア人で彼の姓を見ればウクライナのものだとすぐわかるそうです。しかし、ロシア国籍を持っているという事実のみで今回アクセス権がおりなかったとのこと。ちなみに、見た目ではロシア人なのかウクライナ人かわからなくても、言葉を交わせばアクセントで判断できるそうです。

国籍差別について

業界としては様々な国から多様な人材が集まり、英語を共通語として稼働しているのですが、私達が住むドレスデンは旧東側の都市です。街中はドイツ語しか通じない場面がほとんどで、旧ソ連体制で育った世代は英語はもちろん話せません。保守的で外国人に慣れていない都市柄、差別が起きても不思議はありませんが、ここまであからさまな話を聞いたのは初めてでした。個人的には会社の名誉を傷つけられたとして、得意先に抗議を申し入れてもいいレベルだと思います。私は採用に関与していませんが、人を1人雇うプロセスにかかるコストは安くありませんし、社員は会社の顔です。大事な社員をスパイのように扱われたと思うと非常に気分が悪いです。

 

今回社員が差別を受ける原因を作った戦争についてですが、兄弟国がいがみ合う姿は見ていて非常に悲しいです。お互いに親戚が住む国なのに、なにを間違ってしまったのでしょうか。戦争の一刻も早い終結を祈ります。