ドイツ生活 徒然記

ドイツでの生活も6年目がスタート。日々体験したことや感じたことを書いていきます。

ドイツで働く 日本との違いについて

先週末と今週頭は気温がまた上がり、最後の夏日を感じられそうなドレスデンです。さて、2020年2月から仕事を始めて7ヶ月と少し経ちました。今日は働いていて感じた日本との違いについて記録に残しておこうと思います。

<目次>

 

やっぱりドイツ語は必要!?

私はアメリカと日本とやり取りをする部署に在籍しているので、入社時にドイツ語は求められませんでした。しかし、上司はアメリカ人、同僚は(私を除いて)日本人1人、ニュージーランド人1人、ブラジル人1人、ドイツ人4人で、私以外はドイツ語がペラペラ。人がたくさん辞めていったこともあり、いつの間にか私のためにみんなが英語を話してくれているという状況に。ドイツ語がわからなくて同僚のプライベートの話についていけないことは多々ありますが、今の所仕事には支障をきたしていません。ただ、これから仕事の領域を広げていくにあたって、ドイツ語で対応せねばならないお客さんもあるので、やっぱりドイツ語は必要になりそうです。個人的な体感ですが、私の部署では感じないものの、ドレスデン全体では「なぜドイツに住んでいるのにドイツ語が話せないのか」という雰囲気があると感じます。ベルリンや西側ドイツではドイツ語が話せなくても英語が話せれば問題ない、という国際的な空気があるのですが、東ドイツドレスデンは西側よりも「ドイツらしい」のかもしれません。

 

ドイツではルーティンが細かく決められている

事務仕事をするにあたり、日本と大きく違うなと感じたことは、一見無駄なルーティンが多いということ。例えば、□は〇〇という連絡が来たら、△に情報を展開する、ということが決められていたとします。日本の場合、△はその情報を必要としない場合に「展開不要です」と事前に□に連絡して、□が無駄な情報伝達をしないようにします。一方、ドイツではそのような気配りは不要です。「これはもう伝わっているかな」と考える時間をなくし、機械的にただ情報を回すことで、結果的に時間が節約されているように感じます。事務作業として工程がそのように決められていることで瞬間瞬間での判断にかかる個人の労力が減らされ、効率よく動けるようになっているのだと思います。

個人的には日本のやり方のほうが慣れているので、「無駄な仕事だな…」と思いながらもドイツ式に従っています。

 

誕生日はケーキ持参

日本では誕生日は受け身で、周りの人から祝われることが多いですが、ドイツでは自らケーキやお菓子を持って行って、同僚に配ります。入社した日、退社する日にも同様にスイーツを持参して振る舞います。(もちろん私はそんな習慣を知らなかったので、入社時にはなにもやっていません。)誕生日には日本のお菓子を持っていきました。ただ、気をつけなければいけないのは、ドイツではビーガンやベジの人もいるということ。頑張る人は作り分けて持ってきていたりします。

ちなみに誕生日の記事を以前書いたので、そのときの様子はこちらをどうぞ↓

www.et-chandon.com

 

 

残業禁止!残業や早退をするときは上司に事前に連絡

日本で働いていたときはタイムカード制で(労基法内で)残業やり放題でしたが、今の職場は8時からお昼休憩30分を含む16時半までの就業時間を個人できっちり管理しなければなりません。たとえば、用事があって15分早く帰りたいときは上司に許可を得た後、共通のエクセルシートに早く帰った分15分を記録します。その分は後日15分終業時間を伸ばすことで相殺されるという仕組みです。伸ばす日についても事前に上司に許可を得ます。残業するときも同じような流れです。ミュンヘンに本社がある会社なのですが、ミュンヘンの人と話をするとドレスデンはより厳密にそのルールが守られているということでした。ちなみに、退社後に職場の同僚同士で食事に行ったり飲みに行ったりということはほぼありません。ただ、私自身は10分、15分仕事が伸びてしまったとしても、日本での残業体質からすると全然残業と感じないので、そのあたりの管理はまだドイツ式に慣れていません(苦笑)

 

昼休みは30分で栄養補給

お昼休憩は30分以上とること、との就業規則ですが、大体みんな30分しかとっていません。太陽光を浴びるために、外に出て昼食をとることが多いのですが、ベンチが空いてなかったりすると立って食べることもしばしば。日本は昼食時間がオアシスのように感じますが、私の職場ではみんな早く家に帰りたいのか、30分以上ゆっくりする人はいません。さらに、オフィスワークでずっと座っていることが健康によくない、ということで冬でも外に出て立って食べたりします。始めはちょっとびっくりしましたが、今ではそんなに気にならなくなりました。

 

ドイツ人はよく休む

日本で働いていたときは体調が悪くて休む場合、電話かメールで上司に休むと伝えればよいだけでした。しかし、現在の職場では医者の一筆がなければ休むことができません。職場によっては電話で連絡するだけで1日休めたりするところもないわけではないらしいですが、ドイツでは基本的に休むときにはお医者さんに行って、何日間自宅で静養するといった一筆をもらい、それを会社に郵送します。なので、お医者さんが書いてくれれば1週間休んだりすることもざらにあります。(アナログなので原本を会社に提出しなくてはなりません。)夏が始まる時期になると休暇を取り始める人も出てきて、人数が手薄になっている状況にさらに1人1週間抜けたりすると結構大変です。2人同時にほぼ1週間の病気休暇がかぶったりしたことも。日本だと有給休暇を病欠の際にあてたりしますが、ドイツではお医者さんが書類を書いてくれれば無給の代わりにいくらでも休むことができます。もう退職された日本人の先輩は体調を崩しやすい方で、一緒に過ごした5ヶ月間のうち合計1ヶ月弱は病欠していました。さらにお子さんがいる同僚は子どもの病気でもお医者さんの一筆があれば休めます。両親1人ずつで子どもの病気などを理由に休める日数が決まっているそうです。病欠ではなく、休暇を申請するときは、さすがにみんな関わりのある人達同士で了解を得たのちに、上司に申請をします。

 

入社してから、みんな(特にドイツ人)が信じられないくらい休むので、正直驚きました。この頃はいつも誰かが休暇もしくは病欠でいない状況に慣れてきました(苦笑)私が入社してから5人退社していることを考えると、仕事のクオリティにしわ寄せが来ているに違いありません。ちなみに妊婦さんは1日5時間までの時短勤務となります。私は個人的にお医者さんに行くのが面倒なので(ドイツ語も不安だし)、日本式で有給休暇を利用して休むほうが気楽だなぁと感じています。ちなみに、おかげさまで非常に健康体なので滅多に体調を崩すことはなく、入社以来病欠したことはありません。

 

多種多様な職場の人々

ここでは、私と一緒に働いている同僚たちについてちょこっと紹介してみたいと思います。

 

私の上司はアメリカとドイツ両方の国籍を有していて、現在同性の配偶者と2歳弱のお子さんの育児真っ只中。保育園に入る前は旦那さんがお子さんの面倒を見ていたらしいのですが、現在保育園の慣らし保育中で、今度は彼が保育園に迎えに行くらしく、毎日オフィスに滞在する時間が違います。

 

ニュージーランド人とブラジル人の同僚たちは特に言語が達者で、それぞれ4カ国語以上話せます。しかも独学で新たにロシア語を勉強していたり、アラビア語を始めようとしていたりと趣味で語学学習をしています。さらに、2人ともドイツ語との付き合いはもう4年以上で、自在に言葉を操る姿はとてもかっこいいです。

 

最近子どもを授かったドイツ人の同僚は、ゲイである親友の子どもを宿し、これからそのパートナーとともに3人で家庭を築いていくとのこと。

 

別のドイツ人の同僚はウェブ会議のようなものに1時間以上接続していたと思ったら、なんと大学院生の彼氏の博士面接を公聴していた模様。私もすっごい緊張したんだよね、と嬉しそうに話してくれましたが、こっちは仕事中にプライベートの用事を公然と持ってきていることにびっくり。

 

日本人の同僚は旦那さんが中国出身で娘さんが小学校にあがったばかり。時短勤務でドイツ語も英語も両方駆使し、仕事に育児に奔走しています。ドイツ語が苦手な私に色々と気を配ってくれていつもお世話になっています。

 

他のドイツ人の同僚2人は働くお母さん。1人はフルタイム、1人は時短で、2人とも気さくないい人です。人が非常に少ないのでフルタイムで働いている方は結構ストレス溜まっていそうです。。

 

日本で働いていたときは圧倒的に男性が多い職場だったので、私にとっては女性が多い職場にいること自体が新鮮です。同僚たちはみんなとても親切で、働く環境はとてもよいと感じています。

 

ドレスデンは喫煙率が高い

入社して驚いたことの1つに喫煙率の高さが挙げられます。他の部署の喫煙者数はわかりませんが、私の部署では同僚のドイツ人(みんな女性)4人中3人が喫煙者です。就業時間前に会社の入り口付近で一服した後は、30分の昼食休憩時に吸うくらいしか喫煙する時間はないので、彼女たちは仕事中常に何かもぐもぐと口を動かしています。そして、ドレスデンのトップ(私はドレスデンの母と呼んでいます)は唯一オフィス内で喫煙することができるようで、彼女の部屋は常にタバコ臭いです。街中を歩いていても喫煙者を見かけることはとても多くて、私の職場だけではなく、ドレスデン全体でタバコを吸う人の数は多い気がします。道で子ども連れの妊婦さんが吸っているところを見たこともあります。歩きタバコもざらにありますし、吸い殻は街中に落ちていて結構汚いです。

 

まとめ

・人が辞めていくので、入社時とは状況が変わると心得る

・(ドレスデンでは)ドイツ語が話せたほうがコミュニケーションの幅が広がる

・事務作業はルーティンが決められているので考えなくてもできる

・お祝い事や節目にはケーキを振る舞う

・残業は基本禁止

・昼休みは30分

・病欠時には医者の一筆を郵送する

・多種多様な同僚に囲まれる

・女性の喫煙者が多い

 

日本で働いていたときとは職種も違うので、一概に比較はできませんが、病欠のときのシステムなど日本とは完全に違うところもあれば、休暇を得るときには同僚に根回しするなど、日本と似た文化もあります。まだまだ慣れない習慣もありますが、幸い同僚たちが気さくなので、今後はドイツ語をまた学びながらやれることを増やしつつ、楽しんで働けたらなと思っています。