ドイツ生活 徒然記

ドイツでの生活も6年目がスタート。日々体験したことや感じたことを書いていきます。

ドイツ生活 恐怖体験!?地上階に住むときの注意点

こんにちは。日本はGWですね!今日はTag der Arbeit(タークデアアルバイト)という祝日なのですが、ドイツは振替休日というものがないので明日は平日です。GWが羨ましい!

さて、今日はお隣のドイツ人(ベルリン近くの町出身)マダムにある相談をした話を書いておきたいと思います。私は日本で一人暮らしをしていたときは、マンションの四階に住んでいました。防犯上、一階を避ける人は多いと思います。ここドレスデンでは夫が1人暮らしをしていた部屋に2人で住んでおり、一階の部屋(ドイツでは地上階と言う)です。10年以上同じ部屋に住んでいる夫ですが、近辺はファミリーや老夫婦などが多く治安に問題を感じたことが今までないとのこと。しかし、そんな私たちに少しひんやりする事態が起きたんです。

<目次>

夜中の訪問者

先週水曜日の夜、21時頃、オンラインでの語学学校の授業を終えた私はキッチンで一人食事をとってくつろいでいました。我が家のキッチンは通りに面しており、目隠しシールを窓の中ほどまで貼り付けてあります。さらにブラインドを取り付けていますが、当時は完全には下がっておらず、中を覗こうとすれば覗けるような状態でした。YouTubeで音楽を流していた私は突如窓をノックする音に驚くことに。窓に目をやると、老婆が立っていてこっちを見ながらさらに「ここを開けて」と訴えてきたのです。

 

実は再再訪だった老婆

白髪で小柄の70歳くらいにも見えるこの老婆が初めて我が家の窓を叩いてきたのはおよそ一年前くらいでしょうか。そのときも夜20時を過ぎていたと思います。彼女が窓に来たとき、あまりに激しく叩くので、健康上に逼迫した問題でもあるのかと心配して窓を開けて話を聞いてあげました。引っ越してきたばかりで近所に飲み物が買えるところがないかと聞いてきたので、彼女の背後に見えるショッピングモールを指さして教えてあげたのですが、そこは遠すぎると言うのです。喉が乾いていると訴えていたので、水をあげようかと言ったら、ビールはないかと。正直意味がわからなくて、ビールはないと言ってそのときは窓を閉めたのですが、違和感が残りました。

その2、3ヶ月後、彼女はまた窓を叩いてきました。そのときは夕方17時半頃だったと思います。彼女が窓越しにマスクはないかと言ってきたので、夫が「ここは店ではなくプライベートな住居だ。用事があるならインターホンを鳴らしてくれ」と強い口調で伝えると、「お店だと思っていた!」と驚いた様子で謝って離れていきました。

 

ご近所のマダムに相談することに

インターホンを鳴らしてくれと伝えたにも関わらず、窓から再々訪問してきた老婆。私はとっさにキッチンを離れ、別室にいた夫に彼女のことを報告。夫を連れてキッチンに戻ってみるともう彼女はいなくなっていました。翌日、隣に孫とペットと住むドイツ人のマダム(60歳)にどう対処したらよいかアドバイスを求めることにしました。

 

不審な老婆に対するドイツ人の感覚

マダムにWhatsupでメッセージを送ると、すぐ返信してくれて、その日のうちに我が家に来てくれました。彼女をキッチンに案内して現場を把握してもらい、今まで3回も老婆が窓をノックしてきた話を伝え、警察に相談したほうがよいかどうかを尋ねてみたんです。彼女の答えは「nicht schlimm(ニヒト シュリム)」=そんなに悪くない というもの。マダムいわく、一人ぼっちで寂しく暮らしているであろう老女には少し認知症も入っているかもしれないし、夜話し相手を求めてフラフラしているんだろうとのこと。激しくしつこくうるさかったり、物を壊されたりするようだったら警察を呼ぶこともありだと思うけれど、まずはブラインドをしっかり下ろして、覗かれないようにしておきなさい、と。そんなに心配する必要ないわよ、と私の肩をぽんぽんと叩きながら、なにかあったらいつでも電話して、もしくはうちに来ていいから、と言ってくれたマダム。正直めちゃくちゃ心強く感じました!そして、私も夫もドイツ人の感覚を彼女を通して知ることができ、安心しました。夫はここに長年住んできているので、今までになかった不審者の登場に非常に不安とストレスを感じており、彼女と話をしてしまった私の迂闊さを事あるごとに「どうしてこんなに来るようになったんだろう」と暗に詰ってくる始末(苦笑)そんな夫もマダムの答えに少し勇気づけられたようで、ドイツ人の感覚と日本人の感覚の違いについて驚きながらも胸をなでおろしていました。

 

今回の学びと考察

今回ドイツ人が窓から覗かれたり窓をノックされたりされることに対して「そこまで悪くない」と印象を受けるということがわかり、なるほどと腑に落ちた点があります。ドイツでは「自粛」という感覚や「空気を読む」という感覚、プレッシャーが一切ありません。例えば、Covid-19の流行でヨーロッパにも普及したマスクですが、日本では「しないといけない雰囲気」があるから着用する人もいると思いますし、「するのが普通」と思ってマスクをして出かける人も多いと思います。電車やバスでマスクをしていない人がゴホゴホやっていたらちょっと離れたくなりますよね。しかしながら、ドイツではルールが敷かれて初めて人は従います。つまり、ルールがなければマスクは皆しません。2022年5月1日現在、公共交通機関の利用の際には今もまだFFP2マスクの着用が義務付けられていますが、スーパーなどでの買い物には着用義務はありませんので、スーパーでマスクを着けているのは私たち夫婦くらいです。

以上のことを踏まえて、今回の「老婆窓ノック」事件を考えると、そこに「住居の窓をノックしてはいけない」というルールがない限り、ドイツ人は窓をノックしてきます。私たちができるのはマダムが言った通り、ブラインドを下げ、中を覗けない状態にしておくことだけなんです。ちなみに、我が家の窓には全て虫の侵入予防にネットを張ってあるため、窓を開けてもネットを隔てて会話をすることになるのですが、老婆にとってはそんなことはお構いなしのようでした。

ちなみに、虫よけネットについてはこちらの過去記事を参照ください↓

 

www.et-chandon.com

 

 

まとめ

  • ドイツ人にとって「窓をノックして部屋の中にいる人とコミュニケーションを取ろうとすること」自体はやってはいけないことではない
  • 窓をノック+話しかけられることが嫌であれば、それができない環境を作ること
  • 一階(地上階)に住んでいて、窓が通りに面している場合はブラインドを取り付けて目隠しを確実に
  • 虫除けネットを付けていても、油断は禁物
  • ドイツ人にはされて嫌なことなどは意思表示をはっきりして確実に伝えることが必要

 

さて、以上が夏を前にした私たちの怪談でした。ドイツ生活について日本との違いを少しお伝えできたでしょうか。

更新不定期ですが、また遊びに来てもらえたら嬉しいです!それでは残りのGWも楽しくお過ごしください。ごきげんよう〜!